「今日もあなたの身近で、10億円が詐欺師の手に渡っています」。警察庁は2026年7月末、同年1〜6月の特殊詐欺被害額が過去最悪の1,816億円に達したと発表しました。人ごとではありません。あなたのスマホにも、明日その電話が来るかもしれません。
何が起きているか
警察庁の発表によると、2026年1〜6月の特殊詐欺の認知件数は2万2,031件(前年同期比18.3%増)、被害総額は1,816億2,000万円(同51.7%増)でした。いずれも上半期として過去最悪の数字です。
計算すると、1日あたり10億円以上が詐欺被害に遭っています。毎朝目が覚めるたびに、日本全国のどこかで10億円が消えている計算です。
急増する2大手口
被害額を手口別に見ると、2つの詐欺が全体の7割以上を占めています。
① SNS型投資詐欺(797億9,000万円・前年からほぼ倍増)
SNSのバナー広告やDMで「絶対にもうかる投資法を教えます」と接触してきます。LINEグループへ誘導し、偽の運用実績を見せながら信用させ、最終的に「投資金」や「手数料」として大金を振り込ませます。被害額は60代が最多ですが、20〜50代でも認知件数の約6割を占めており、「若いから大丈夫」とはいえません。
② ニセ警察詐欺(507億9,000万円・前年比27%増)
警察官や検察官を名乗る人物から「あなたの口座が犯罪に使われています」「逮捕状が出ています」などと電話がかかってきます。被害額・件数ともに70代が最多。「お金を安全な場所に移してください」と現金やキャッシュカードを騙し取ります。本物の警察や検察が電話でお金の話をすることは絶対にありません。

このほか、SNS型ロマンス詐欺(246億6,000万円)、架空料金請求詐欺(74億6,000万円)、オレオレ詐欺(68億9,000万円)なども増加しています。
なぜここまで被害が増えているのか
警察庁の分析によると、SNS型投資詐欺への接触手段の約半数がバナー広告です。タレントや有名人の顔写真を無断使用した偽広告が大量に出回っており、クリックしただけで詐欺グループとつながってしまいます。警察庁は6月からYouTubeの詐欺広告を自動抽出するシステムを稼働させ、209件の削除を要請しましたが、新たな広告は後を絶ちません。
今日からできる対策
- ☑ SNSやネット広告の「高利回り投資」「必ずもうかる」はすべて詐欺と疑う。絶対にクリックしない
- ☑ 「警察・検察からの電話でお金を動かすよう言われた」は100%詐欺。すぐ電話を切る
- ☑ 家族で「知らない番号には出ない」「お金の話が来たら必ず家族に相談する」ルールを決める
- ☑ スマートフォンの迷惑電話ブロックアプリを活用する
- ☑ 「怪しいかも」と感じたら一人で判断せず、まず警察相談専用電話「#9110」へ
もし被害に遭ったら
お金を振り込んでしまった・現金を渡してしまったと気づいたら、一秒でも早く行動してください。時間が経つほど回収は難しくなります。
- 振込先の金融機関にすぐ電話:「振り込め詐欺被害申告」をすれば口座を凍結できる場合があります
- 消費者ホットライン「188」(いやや):詐欺・悪質商法の相談窓口
- 警察相談専用電話「#9110」:被害届の出し方など相談できます
- 緊急・犯人と接触した場合は「110番」

「毎日10億円」という数字は、決して遠い話ではありません。その中に、あなたの大切な方が含まれるかもしれない。詐欺師は毎日手口を変えてきます。「知っている」だけで防げる被害がほとんどです。この記事を読んだ今日、ぜひご家族に一言伝えてください。
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