スマートフォンに届く「〇〇料金が未払いです。今すぐ確認してください」というショートメッセージ(SMS)。リンクをタップすると、気づいたらPayPayの送金画面が開いていた——実はこれ、PayPay送金詐欺という新手の詐欺の入口です。2026年のゴールデンウィーク前後から急増しており、フィッシング対策協議会も同年4月に緊急情報を発信しています。
何が起きているのか
この詐欺では、携帯電話料金・水道料金・税金・社会保険料など、生活に身近な支払いを装った偽のSMSが送られてきます。記載されたURLをタップすると、ワンクリックでスマートフォンにインストール済みのPayPayアプリが起動し、送金画面が自動表示されます。
画面には「お支払い金額:〇〇円」と表示され、「支払う」ボタンを押すだけで犯人の口座へ送金が完了します。ATMに行く必要も、暗証番号を教える必要もありません。わずか数タップで完結してしまうのがこの詐欺の危険な特徴です。
2026年6月ごろからは、オンラインゲームやトレーディングカード購入サイトを名乗る偽SMSも確認されており、手口は多様化しています。
手口の解説

①【接触】架空料金の偽SMSが届く
「3月分の携帯料金が未払いです」「水道料金を期日までに払ってください」など、実在する会社名を装った偽のSMSが届きます。本物そっくりの文面と送信元表示で、一見すると見分けがつきません。
②【誘導】リンクをタップするとPayPayが起動する
記載されたURLをタップすると、フィッシングサイトを経由してPayPayアプリが自動で起動します。これはPayPayの「送金リンク」機能を悪用したもので、正規のPayPayアプリが開くため「本物だ」と錯覚しやすいのです。
③【要求】送金金額と「支払う」ボタンが表示される
アプリには犯人が設定した金額と送金先が入力済みの状態で送金画面が表示されます。「料金を支払う」という感覚で「支払う」ボタンを押すと——
④【被害】即座に犯人へ送金完了
PayPay残高または登録済みの銀行口座から即座に送金されます。送金後のキャンセルはほぼできません。しかも「自分で操作した送金」とみなされ、PayPayの補償制度の対象外となります。
今日からできる対策
✅ SMSのリンクは絶対にタップしない
携帯電話会社・公共料金・行政機関が「未払い通知」をSMSで送ることはほとんどありません。怪しいと感じたらリンクをタップせず、公式サイトやお客様センターに直接確認しましょう。
✅ PayPayをタップして開いたら即座に閉じる
外部リンクからPayPayが突然起動した場合、それは詐欺の誘導です。送金金額の大小に関わらず、すぐにアプリを閉じて操作を止めてください。
✅ PayPayの「送金リンク」機能の仕組みを知る
PayPayには知人間で送金URLを共有する正規機能がありますが、見知らぬURLからPayPayが起動した場合は詐欺を疑ってください。知人からでない限りURLから送金はしないと覚えておきましょう。
✅ PayPay残高をむやみに多く持たない
被害を最小限に抑えるため、PayPay残高は必要なときだけチャージする習慣をつけましょう。
✅ 家族・身近な人にも伝える
スマホを使い始めたばかりの方や、PayPayを使い慣れていない方が特に狙われやすいです。「PayPayが突然開いたら詐欺」と周りにも伝えてください。
もし被害に遭ったら
送金してしまった場合、PayPayへの連絡を試みながら、同時に以下の機関にも連絡してください。
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):消費生活センターにつながります。返金交渉の相談が可能です。
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:詐欺被害として相談できます。送金明細・SMSの画面スクリーンショットを保存してから電話しましょう。
- 📱 PayPayカスタマーサポートへ即連絡:被害発生直後に連絡することで、相手口座の凍結を求めることができます。ただし補償保証はありません。

PayPayを使ったことがない方でも、スマホに届いた「未払い通知」のリンクを開いてしまえば被害に遭います。「よく分からないリンクは触らない」——この一つの習慣が、あなたの大切なお金を守ります。
コメント