「外国人が翻訳アプリを使いながら現金を受け取りに来た」——そんな詐欺が実際に起きています。2026年7月14日、台湾を拠点とする犯罪グループが日本語を話せない外国人を受け子として来日させ、東京都千代田区の80代女性から現金500万円をだまし取った事件で、台湾籍の女(29)ら2人が詐欺の疑いで逮捕されました。(日本経済新聞 2026年7月7日)
何が起きたのか
逮捕された女ら2人は2025年8〜10月、仲間と共謀して米国の実在する投資会社の社員を名乗り、東京都千代田区に住む80代の女性に接触。投資話を持ちかけて信頼させたうえで現金500万円をだまし取ったとされています。
特筆すべきは手口の巧妙さです。女らは日本語をほとんど話せませんでしたが、被害者と対面する際にはスマートフォンの翻訳アプリを使って会話。偽の身分証明書を示すことで、本物の「投資会社社員」に見せかけていました。
台湾の犯罪組織は「日本旅行をしながら稼げる仕事がある」「捕まっても重大なことにはならない」と現地で受け子を勧誘し、短期滞在の資格で来日させていたとみられます。被害総額は複数人で現金あわせて1,700万円以上に上るとみられています。
手口の解説

①【接触】SNSや投資グループで「確実に儲かる投資」を持ちかける
LINEやInstagram、Facebookなどで「海外の有名投資会社が運用を手伝う」「AIシステムで確実に利益が出る」などと接触してきます。実在する外国企業の名前を使うことで信頼感を高めます。
②【信用させる】偽の投資実績・偽書類・偽サイトで安心させる
本物そっくりの投資管理画面や外国企業のロゴ入り書類を見せ、「利益が着実に増えている」と演出します。最初は少額の”成功体験”をさせて、より大きな金額を投じさせます。
③【現金要求】「手数料・税金を先払い」などと称して繰り返し現金を求める
「利益を出金するには手数料が必要」「海外送金には税金を先に払う必要がある」などともっともらしい理由で何度も現金を要求します。要求に応えるほど被害が膨らみます。
④【直接回収】翻訳アプリを使った外国人受け子が自宅近くで現金を受け取る
「担当者が集金に伺います」と言って、日本語を話せない外国人がスマートフォンの翻訳アプリを使いながら現れ、現金を直接受け取ります。手渡した瞬間、取り戻すことはほぼ不可能です。
今日からできる対策
✅ 「外国企業への投資で確実に儲かる」はすべて詐欺
投資で確実な利益を約束することは、国内外を問わず法律で禁じられています。「絶対儲かる」「必ず利益が出る」という言葉が出たら即座に詐欺と疑ってください。
✅ 突然の「担当者訪問」には絶対に現金を渡さない
正規の金融機関・投資会社が自宅を訪問して現金を受け取ることはありません。「担当者が来る」と言われたら断り、警察に相談してください。
✅ 翻訳アプリで話す来訪者には特に注意
日本語を話せない外国人が「会社の担当者」として来訪するのは異常です。翻訳アプリを使いながら話しかけてきた相手には現金を絶対に渡さないでください。
✅ 偽の身分証明書を確認する手段はない
詐欺グループは本物そっくりの偽の身分証や社員証を用意しています。見せられた書類が本物かどうかを一般人が見分けることは非常に困難です。「書類を見せてもらったから安心」とはなりません。
✅ 家族に話す・すぐに188番に電話する
「秘密にしてほしい」と口止めされたら詐欺の証拠です。一人で判断せず、家族か消費者ホットラインに相談してください。
もし被害に遭ったら
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):返金・被害回復の相談ができます。
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:詐欺被害として届け出てください。来訪者の特徴・服装・スマートフォンの様子などをできる限りメモしておきましょう。
- 🏦 振込先銀行に即連絡:振込を行った場合は口座凍結を依頼できます。

「外国人だから本物に違いない」と思ってしまうこともあるかもしれません。でも書類も翻訳アプリも、詐欺師は道具として使います。玄関に「集金に来た」という人が現れたとき、その人が本物かどうかは、まず家族に電話して確認してください。
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