「現金は物置に置いて」871万円被害|ニセ警察詐欺の手口

「携帯が犯罪に使われている」――そんな電話から、三重県の70代女性は871万円を失いました。同じ手口は、全国どこでも起こり得ます。

何が起きたか

三重県警尾鷲署は8月11日、尾鷲市の70代女性が現金871万円をだまし取られたと発表しました。

女性は7月14日、警視庁の警察官を名乗る男から電話を受けました。「携帯番号が犯罪に使われている」「あなたに容疑がかかっている」と告げられたそうです。

その後、検事を名乗る男が登場。「現金の番号を確認する必要がある」と言われました。

女性は7月31日、指示通り現金入りの紙袋を自宅の物置付近に置きました。中身は何者かに持ち去られました。

その後、警察官や検事と連絡が取れなくなり不審に思った女性は、夫に相談。8月11日、尾鷲署に相談し被害が発覚しました。

三重県内では今年上半期(1〜6月)、ニセ警察詐欺の被害額が前年より3億6680万円増え、8億120万円に達しました。特殊詐欺全体の被害額も27億240万円と、過去最悪のペースで増えています。

手口の解説

今回の詐欺は、3つの段階で進みました。

①不安をあおる電話
警視庁の警察官を名乗り「あなたの携帯番号が犯罪に使われている」と告げ、恐怖心を植え付けます。

②別人物が登場し信用させる
検事を名乗る男が「現金の番号を調べる」ともっともらしい理由を告げ、現金の用意を指示します。

③現金を「置かせて」回収する
ATMでの振込や対面での受け渡しではなく、自宅の物置など決まった場所に現金を置かせ、後から回収します。犯人の顔を見せずに済むため、家族や近所の目をかいくぐりやすい新しい手口です。

尾鷲の偽警察・検事詐欺の手口3コマ図解イラスト

今日からできる対策

  • 警察官や検事を名乗る電話は、まず疑いましょう。警察官が電話で容疑や逮捕をほのめかすことはありません。
  • その場で判断せず、いったん電話を切りましょう。相手の指示に急いで従う必要はありません。
  • 「現金を置いて」という指示は特に危険です。対面でも振込でもない要求は、新しい詐欺のサインです。
  • 家族と合言葉を決めておきましょう。電話の相手が本人か確認する手段になります。
  • 知らない番号の電話には、まず出ない習慣をつけましょう。

もし被害に遭ったら

すでにお金を渡してしまった、または指示通り現金を置いてしまった場合は、すぐに最寄りの警察署か110番に連絡してください。お金に関する相談は、消費者ホットライン「188」も利用できます。判断に迷ったときは、警察相談専用電話「#9110」に相談しましょう。

安国院道和
安国院道和

電話一本で人を追い詰め、金を「置いていけ」とは卑劣にもほどがある。おかしいと思ったら、まず電話を切ってほしい。それだけで守れるお金がある。ひとりで抱え込まず、すぐ誰かに話してくれ。

出典

伊勢新聞「871万円だまし取られる 尾鷲の女性「あなたに容疑」と電話 三重」
伊勢新聞「刑法犯認知件数5534件 三重県内上半期、2年ぶり増 特殊詐欺被害は過去最悪27億円」

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