「お母さんから電話が!」その声はAIが作った偽物…3か月で300億円被害のディープフェイク詐欺が日本でも急増中

電話口から聞こえる「お母さん」「お父さん」「子どもの声」――それがAIが数秒の音声から作り上げた偽物だとしたら、あなたは見抜けますか?2025年第1四半期だけで世界の被害額が約300億円、日本でも前年比28倍に急増しているのが「AIディープフェイク詐欺」です。

何が起きているのか

AIの音声合成技術が急速に進化し、わずか3〜5秒の音声サンプルがあれば、85%の精度で本人の声を複製できるようになりました。SNSやYouTubeに投稿した動画から家族の声を無断で収集し、「事故に遭った」「お金が急に必要」などと電話をかけてくる手口が急増しています。

また、企業の経営幹部や上司の声を複製し、「至急送金して」と部下に偽の指示を出す事例も多発しており、個人だけでなく企業も狙われています。

手口の3ステップ

AIディープフェイク詐欺の手口3ステップ図解

① SNS・動画から声を収集する
FacebookやYouTubeなどに投稿された動画・音声から、ターゲットの家族や本人の声をひそかに収集します。わずか数秒あれば十分です。

② AIで声を完全複製する
最新の音声生成AIに学習させ、本物と区別がつかないほどリアルな偽の声を作り上げます。感情や話し方のクセまで再現されます。

③ 偽の声で電話をかけ、緊急送金を要求する
「事故を起こした」「借金の返済に困っている」「今すぐお金が必要」と緊急性をあおり、冷静な判断をできなくさせて送金させます。

今日からできる具体的な対策

家族だけの「合言葉」を今すぐ決める
電話で金銭を要求してきたときに確認する合言葉を家族で決めておきましょう。AIは合言葉を知りません。

電話を一度切って、本人に折り返す
どんなに緊急に聞こえても、一度電話を切って自分で番号を調べてかけ直しましょう。本物の家族ならつながります。

SNS・動画への音声投稿を見直す
公開設定のSNSや動画に声が入った投稿を増やしすぎないよう注意しましょう。声の収集リスクを下げられます。

「今すぐ」「誰にも言うな」は詐欺のサイン
緊急性と秘密主義はセットで使われます。急かされても絶対に一人で判断しないでください。

#9110(警察相談専用電話)に相談する
「この電話、本物かもしれないけど不安」という場合も#9110に相談できます。24時間つながります。

安国院道和
安国院道和

声は昔から「信頼の証」でした。しかし今や、その声さえも偽られる時代です。大切な人からの電話であっても、お金の話が出た瞬間に一度立ち止まる。「合言葉」と「折り返し電話」――この二つの習慣が、あなたと家族を守る盾になります。

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