救急搬送の6割超が高齢者|今夏の熱中症から命を守る対策

「エアコンをつけていたのに…」「水を飲んでいたのに…」。そんな言葉が、今年の夏も各地から聞こえてきます。2026年7月のわずか2週間で、全国1万5,000人を超える方が熱中症で救急搬送されています。

今夏、何が起きているか

2026年7月6日〜12日の1週間で、全国4,580人が熱中症で救急搬送され、長野・島根・長崎・大分・沖縄の5県で計7人が亡くなっています(消防庁調べ)。

翌週(7月13〜19日)はさらに増加し、10,857人が搬送されました。わずか2週間で1万5,000人超が救急車で運ばれたことになります。

特に深刻なのは、搬送された方の61.7%が65歳以上の高齢者だという点です。そして発生場所のトップは「自宅の室内」。外出中だけでなく、家の中にいるだけでも命の危険があります。

なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか

高齢者の方に特に注意が必要なのは、体の仕組みに理由があります。

①暑さを感じにくくなっている 年を重ねると、暑さを感じる神経の働きが鈍くなります。体温が上がっていても「暑い」と気づかないまま、熱中症が進行してしまいます。

②のどの渇きを感じにくい 体の水分が失われても、のどの渇きを感じにくくなっています。「ちゃんと飲んでいるつもり」でも、実際には不足していることがよくあります。

③持病や薬の影響 高血圧・心臓病・糖尿病などの持病がある方、または利尿剤・降圧剤を服用中の方は、体の水分バランスが崩れやすく、熱中症のリスクが高まります。

危険なサインを見逃さないために

熱中症の危険なサインと対策を図解したイラスト

次のような症状が出たら、熱中症の初期サインです。早めに対処してください。

  • ☑ 顔が赤くなっている・やけに汗をかいている
  • ☑ めまい・立ちくらみがする
  • ☑ 体がだるく、力が入らない
  • ☑ 頭痛・吐き気がある
  • ☑ 皮膚が熱いのに汗が出ない(重症のサイン)
  • ☑ 呼びかけても反応が鈍い・意識がぼんやりしている → すぐに119番

今日からできる予防策

  • ☑ エアコンを「我慢」しない。室温は28℃以下に保つ。電気代より命が大切です
  • ☑ のどが渇く前に水分を取る。1日1.2リットルを目安に、こまめに飲む
  • ☑ 経口補水液やスポーツ飲料を常備しておく
  • ☑ 朝・昼・夕の3回、室温と体調を確認する習慣をつける
  • ☑ 一人暮らしの方は、家族や近所の方と毎日「元気確認」の声かけをする

熱中症の症状が出たら

意識があり自力で動ける場合 冷房のある涼しい室内へ移動し、冷たいタオルや氷を首・わきの下・太もものつけ根に当てて体を冷やします。スポーツ飲料・経口補水液をゆっくり飲みましょう。

意識がない・反応がおかしい場合 すぐに119番へ電話してください。救急車が来るまでの間も、体を冷やし続けることが大切です。

体調に不安がある方は、かかりつけ医にご相談ください。

安国院道和
安国院道和

「熱いのは外だけじゃない」ということを、ぜひ覚えておいてください。エアコンを使うことは贅沢ではなく、命を守る手段です。一人で我慢せず、周りの方にも声をかけてあげてください。

出典

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