「絶対に儲かる」とSNSで勧められた投資に振り込んだお金が、気づかないうちに「資金洗浄(マネーロンダリング)」のために使われていた——そんな事件が2026年7月に明らかになりました。警視庁が摘発したのは、SNS型投資詐欺で騙し取った被害金を隠すための「洗浄専門グループ」です。
何が起きたのか
2026年7月2日、警視庁犯罪収益対策課は、SNS型投資詐欺の被害金をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで男女7人を逮捕しました。
7人が管理する複数の口座には、半年間で計約2億円が入金されていました。その大部分は米国から振り込まれた詐取金とみられています。グループの指示役とみられる会社役員の男(44)は、銀行に対して「精密機器の輸出で得た代金です」などと嘘の説明をして口座を維持していたとされています。
SNS型投資詐欺による被害は、令和7年上半期だけで被害額481.9億円に上るとされており(警察庁発表)、マネーロンダリングの横行はその実態の一端を示しています。
手口の解説

SNS型投資詐欺の被害金は、すぐに「洗浄」されて追跡を困難にします。以下がその典型的な流れです。
①【SNSで接触・勧誘】「このグループに入れば儲かる」
LINEやInstagramなどのSNSで「著名な投資家」「AI投資ツール」などを名乗る人物から連絡が来ます。最初は少額で利益が出たように見せかけ、信頼を得てから大きな金額を振り込ませます。
②【被害金を口座に振り込ませる】「今すぐ入金を」
詐欺師が指定する口座(多くは他人名義の「受け子」口座)に振り込むよう指示されます。この口座は短期間で使い捨てられます。
③【マネロングループが資金を移動】複数口座を経由して追跡困難に
被害金は即座に別の口座へと転送されます。国内の口座から海外口座、さらに別の国へと次々と移動させることで、資金の出所を隠します。今回の事件では「精密機器の輸出代金」という嘘の名目まで使って銀行をごまかしていました。
④【暗号資産に換金して「洗浄」完了】追跡がほぼ不可能に
最終的にビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)に換金され、海外へ送金されます。ここまで来ると、被害金を取り戻すことはほぼ不可能です。過去には約4,200万円分の暗号資産に換金されたマネロン事件も発覚しています。
今日からできる対策
✅ SNSで知り合った人からの「投資の誘い」は必ず断る
リアルで会ったことのない人からの投資話は、どれだけ魅力的に見えても詐欺と疑ってください。「著名人」「AIツール」「限定グループ」などの言葉は詐欺師がよく使う誘い文句です。
✅ 「入金先口座が頻繁に変わる」は詐欺のサイン
正規の投資会社は振込先口座を何度も変えません。「今日中に振り込んでください」「口座が変わりました」という連絡は詐欺の典型的な手口です。
✅ 少額で利益が出ても喜ばない
最初に少額で「利益が出た」ように見せるのは、信頼させるための典型的な手口(小出し詐欺)です。「出金できますか?」と試してみてください。出金を断られたり、手数料を要求されたりすれば詐欺です。
✅ 振り込んだ直後に気づいたら即座に振込先銀行へ電話
被害金はマネロングループによってすぐに移動させられます。振り込んだと気づいたらその日のうちに銀行に連絡し「不正送金の可能性がある」と伝えてください。早ければ早いほど被害回復の可能性があります。
✅ 家族や友人に話す習慣をつける
詐欺師は「秘密にして」と言います。誰かに話すだけで詐欺の8割は防げると言われています。
もし被害に遭ったら
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):振り込んでしまった場合の対応方法を相談できます
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:詐欺被害の相談窓口。被害届の出し方も案内してくれます
- 🏦 振込先銀行に即電話:振込直後なら口座凍結で被害回復の可能性があります
- 🖥️ 警察庁のSOS47サイト(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/):最新の詐欺情報と相談窓口一覧が確認できます

振り込んだお金は、詐欺師の手を離れた瞬間から「洗浄」が始まります。取り返すためには1分1秒を争います。「もしかして詐欺かも」と思ったら、すぐに家族に話し、銀行に電話してください。恥ずかしいことは何もありません。
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