その電話、日本語が上手だから信じていませんか。あなたを騙す相手は、海外の拠点で日本語を練習したプロかもしれません。
何が起きたか
2026年7月31日、東京都に住む職業不詳の男(26)が逮捕されました。疑いは組織犯罪処罰法(組織的な詐欺を重く罰する法律)違反です。
男はカンボジア北西部ポイペトの詐欺拠点で、中国人の指示役から「かけ子」への日本語通訳を担当していたとみられています。
2025年2月ごろ、仲間と共謀して茨城県の女性に警察官などを名乗る電話をかけました。現金3140万円をだまし取った疑いが持たれています。男は詐欺マニュアルの翻訳などもこなし、月100万円以上の報酬を得ていたとされます。
この拠点をめぐっては、これまでに37人が逮捕・起訴されたとみられています。国境を越えた場所から、日本全国の被害者を狙う体制ができあがっていたことになります。
手口の解説

今回の事件から見える手口の流れは、次の3ステップです。
①接触:「警察官」を名乗る電話がかかってきて、「あなたの口座が犯罪に使われている」などと不安をあおります。
②信用させる:海外拠点では、中国人の指示役が用意した詐欺マニュアルを日本語通訳がその場で伝えます。発音や言い回しが不自然にならないよう、通訳が言葉を整えます。そのため被害者は「本物の警察官だ」と信じ込みやすくなります。
③金銭要求:「捜査のため一時的に現金を預かる」などと言って、現金の手渡しや振り込みを指示します。
「片言の外国人からの電話なら怪しいと分かる」と思う方も多いはずです。しかし今回のように、拠点には日本語だけを専門にする通訳役がいます。話し方が自然だからといって、安心してはいけません。
今日からできる対策
・「警察官」「金融庁」などを名乗る電話で、お金の話が出たらまず疑いましょう。
・その場で答えず、一度電話を切りましょう。折り返す時は、自分で調べた代表番号にかけ直しましょう。
・警察官が電話で現金を要求したり、口座番号やキャッシュカードを尋ねたりすることはありません。この一点を覚えておきましょう。
・自宅の電話を留守番電話に設定しておきましょう。詐欺の電話は、留守番電話に切り替わると多くが切れます。
・一人で判断せず、家族や地域の交番にすぐ相談しましょう。
もし被害に遭ったら
お金を振り込んだり渡したりしてしまったら、すぐに警察に連絡してください。
迷ったときは、消費者ホットライン「188」(いやや!)に相談できます。警察相談専用電話「#9110」も利用できます。一人で抱え込まず、まず声をあげましょう。
まとめ
「日本語が上手だから」「警察の名前を知っているから」は、詐欺師かどうかの見分け方にはなりません。電話でお金の話をされたら、まずは疑う。それだけで、あなたと大切な人を守れます。
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