「あなたの名前で荷物が届いている」ある日突然そんな電話がかかってきたら、あなたはどうしますか。静岡県で70代男性が4800万円をだまし取られた事件から、新しい詐欺の手口を学びましょう。
何が起きたか
静岡県警静岡中央署は8月3日、被害を発表しました。静岡市葵区に住む70歳代の無職男性が、現金約4800万円をだまし取られる特殊詐欺の被害に遭いました。
被害が起きたのは5月下旬です。自宅の電話に「郵便局員」や「警視庁の刑事」を名乗る人物から連絡がありました。
男性は詐欺だと気づかないまま、相手の指示に従ってしまいました。別の事件の捜査中に男性の被害が判明し、警察から本人へ連絡して初めて発覚したといいます。被害から発覚まで、実に2カ月以上もかかっていました。
警察庁の発表によると、令和8年上半期の特殊詐欺の被害総額は全国で1816億円を超えました。前年より5割以上増えており、だれの身にも起こりうる被害だと言えるでしょう。
手口の解説
今回の詐欺は、次のような流れで進みました。
①郵便局員や刑事を名乗る電話がかかる
自宅の電話に「あなたの名前で、現金が入った荷物が送られています」という連絡が入ります。身に覚えのない話に、驚いてしまう人がほとんどです。
②「身の潔白の証明」を口実に不安をあおる
「潔白を証明するには、警察の資金調査に協力してほしい」と言われます。この一言で、被害者は「自分は事件に巻き込まれている」と思い込んでしまいます。
③指示通りにネットで口座を開設させる
相手の指示に従い、インターネットで新しい銀行口座を開設します。「調査のため」という名目で、疑いを持たせない工夫がされています。
④開設した口座に入金させ、引き出される
その口座に自分のお金を振り込むよう指示されます。振り込んだ後、相手に何らかの方法でアクセスされ、現金を引き出されてしまいました。
この手口の怖いところは、ATMに行かず、犯人と直接会うこともない点です。すべてスマホやパソコンの操作だけで、被害が完了してしまいます。「対面しないから安心」とは言えない時代になっています。

今日からできる対策
- 「警察」「郵便局」を名乗る電話で口座開設や送金の話が出たら、まず疑いましょう。本物の職員が電話だけでこうした依頼をすることはありません。
- 「資金調査への協力」「身の潔白の証明」という言葉は、詐欺を疑う合図だと覚えておきましょう。不安をあおる言葉ほど注意が必要です。
- 電話をいったん切り、警察相談専用電話「#9110」に自分から確認の連絡をしましょう。相手の言う番号にかけ直すのは危険です。
- 家族と「こういう電話が来たら必ず相談する」と事前に決めておきましょう。一人で判断しないルールが被害を防ぎます。
- 新しい銀行口座を作る手続きは、電話の相手の指示だけで進めないようにしましょう。急かされたときほど、一度立ち止まることが大切です。
もし被害に遭ったら
少しでも「おかしいな」と思ったら、一人で悩まず、すぐに家族や警察に相談してください。
お金に関する相談は消費者ホットライン「188」に連絡できます。事件かどうか迷う場合は、警察相談専用電話「#9110」へどうぞ。どちらも無料の窓口です。
すでに口座を開設したり入金したりしてしまった場合は、迷わず警察と銀行の両方にすぐ連絡しましょう。早く動くほど、被害を防げる可能性が高まります。
まとめ

「警察」や「郵便局」と名乗られると、つい信じてしまいますよね。でも本物の警察官が、電話一本で口座開設や送金を求めることは絶対にありません。少しでも変だと感じたら、電話をすぐに切って構いませんよ。あなたの財産は、あなた自身の落ち着いた判断で守れます。
出典
特殊詐欺 4,800万円被害 静岡県|ぼうはん日本(全国読売防犯協力会)(2026年8月4日付 読売新聞朝刊・静岡)
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