飲食店でお会計のとき「QRコードで払えます」と言われ、スマホで読み取ってPayPayやau PAYで支払う——ごく当たり前になった光景ですが、そのQRコードが「偽物」に差し替えられていたら?代金はそのまま詐欺師の口座に消えます。2026年7月、そんな新手口の未遂事案が報道され、専門家が緊急注意を呼びかけています。
何が起きているのか
2026年7月3日、FNNプライムオンラインなど複数のメディアが報じたところによると、飲食店の店頭で第三者が無断で別のQRコードスタンドを設置しようとする事案が確認されました。ある焼き肉専門店では、見知らぬ男が「WeChat Pay」のQRコード台を「置かせてほしい」とカウンターに設置しようとしたところを、不審に思った店員が阻止しました。
QRコード決済に関する相談件数は2025年度に8,000件超となり、2023年度比で約4倍に急増しています。専門家は「実行役に闇バイトを使っている可能性がある」と指摘しています。
手口の解説

①【店員のすきを狙う】閉店後・混雑時・席払い台に近づく
閉店後や開店準備中、ランチ混雑で店員が手薄な時間帯を狙います。テーブルに置いてあるQR決済スタンドや、レジ横の台紙に近づき、本物のQRコードの上から偽物のシールを貼ったり、スタンドごと差し替えたりします。
②【偽QRコードに誘導】読み取ると詐欺師の口座へ
お客がスマホで読み取ると、見た目は普通の決済画面と変わりません。しかし送金先は詐欺師が用意した口座です。PayPayなどでは送金後にお互いが確認しないと気づきにくく、少額なら発覚が遅れます。
③【店も客も気づきにくい】売上が入らない→しばらくして発覚
お客は「払った」と思い、店側は売上の集計をするまで気づきません。1件ずつは少額でも、複数の店舗・複数日にわたって行えば、被害は大きくなります。実行役は「QRコードを置かせてほしい」と依頼するケースや、こっそり貼り替えるケースの両方が確認されています。
今日からできる対策
✅ 【お客さん向け】読み取る前にQRコードの「見た目」を確認する
QRコードの上にシールが貼られていたり、台紙が浮いていたりしないか触って確認してください。また、読み取り後の送金先の名前(店名)が正しいか、決済完了前に必ず確認する習慣をつけましょう。
✅ 【お客さん向け】金額・送金先を画面で確認してから「決定」を押す
PayPayなどのQR決済では、送金前に相手の名前と金額が表示されます。見知らぬ個人名や中国語の名前が表示されたら即中止し、店員に伝えてください。
✅ 【お店向け】QRコードスタンドには触られた形跡がないか毎日確認する
開店前と閉店後にQRコードスタンドやシートに異常がないか確認してください。自分で設置した覚えのないものが置かれていたら絶対に使わせず、警察に届け出てください。
✅ 【お店向け】見知らぬ人が「QRコードを置かせて」と言ってきたら断る
業者を名乗っていても、本部や契約している決済会社に確認が取れるまで設置を許可しないでください。正規の業者はこのような形での飛び込み営業はしません。
✅ 現金払いやレシートで確認する習慣も有効
不安なときは現金で払うか、レシートに「QR決済」と正しい店名で記録されているか確認しましょう。
もし被害に遭ったら
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):詐欺的な決済トラブルの相談ができます
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:被害届の提出や相談はこちらへ
- 📱 利用した決済サービスのサポートへ連絡:PayPay・au PAYなどには不正利用の申告窓口があります。早めに連絡することで調査が始まります
- 🏪 お店の場合は警察に届け出る:偽QRコードが設置されていたことが判明したら、そのまま保管して警察に届け出てください(証拠物件になります)

キャッシュレス払いは便利ですが、QRコードを読み取る前に「送金先の名前」を必ず確認する習慣をつけてください。見慣れない個人名や外国語の名前が出てきたら、すぐに止めて店員に声をかけてください。疑うことが、最大の防御です。
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