「荷物が届いています」。そんな電話をきっかけに、三重県松阪市の70代女性が600万円をだまし取られました。誰にでも起こりうる手口です。
何が起きたか
2026年8月5日午後5時ごろ、三重県松阪市に住むパート従業員の女性(70代)の自宅に、配送業者を名乗る人物から電話がかかってきました。
相手は「韓国からあなた宛ての荷物が松山空港に届いている」と告げました。女性が「身に覚えがない」と答えると、松山警察署の警察官を名乗る「佐藤」という人物に電話が代わりました。
「佐藤」はLINEで「佐藤豊」というアカウントを登録するよう指示しました。翌6日、女性がLINEで連絡すると、今度はビデオ通話がかかってきて、検察官を名乗る「前田」という人物が応対しました。
「前田」は「お金の番号を調べる必要がある」などと告げ、ATMの1日の振込限度額を150万円まで引き上げるよう指示しました。
女性は言われるままに、4日間にわたって150万円ずつ、合計600万円を複数の個人名義の口座に振り込みました。
女性は27日に松阪署へ相談し、被害が発覚しました。三重県警は特殊詐欺事件として調べています。(夕刊三重、2026年8月28日配信)
手口の解説

①【入口】配送業者を装う電話で「荷物」を口実に接触
見覚えのない荷物の話を持ちかけ、「身に覚えがない」と答えさせることで、自然に次の人物へ会話をつなげます。
②【なりすまし】警察官→検察官と役割を変えて信じ込ませる
電話の相手が次々と役割を変わることで、本当に捜査が進んでいるかのような臨場感を演出します。
③【最新の罠】LINEのビデオ通話で「本物らしさ」を偽装
声だけでなく顔が見えるビデオ通話を使うことで、警戒心の強い人でも信じ込みやすくなっています。
④【送金】ATM限度額を引き上げさせ、数日に分けて振り込ませる
一度に大金を振り込ませず、複数日・複数の口座に分けることで、金融機関の異常検知をすり抜けようとします。
今日からできる対策
✅ 覚えのない荷物の電話は、その場で対応せず自分で公式番号を調べてかけ直す
配送業者を名乗る電話でも、案内された番号にはかけ直さず、伝票や公式サイトで調べた番号を自分で確認しましょう。
✅ 警察官・検察官が電話やLINEでお金の話をすることは絶対にない
本物の警察官・検察官が、電話やビデオ通話で振込や現金の準備を指示することはありません。
✅ 知らない相手からのLINE友だち追加・アカウント登録の誘導には応じない
「登録してください」「ビデオ通話で確認します」という誘導そのものが詐欺のサインです。
✅ ATMの振込限度額を他人の指示で変更しない
電話の相手から限度額の引き上げを求められたら、その時点で詐欺を強く疑ってください。
✅ 一人で抱え込まず、家族や警察に電話をかけて確認する
少しでも不安に感じたら、その場で家族や警察相談専用電話に連絡しましょう。
もし被害に遭ったら
お金を振り込んでしまった、または振り込みそうになった場合は、すぐに行動してください。
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):最寄りの消費生活センターにつながり、相談できます。
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:警察への相談窓口です。電話やLINEの内容、振込先の口座情報をメモしておきましょう。
- 🚨 振込直後であれば110番:振込先の金融機関に速やかに連絡するとともに、110番通報してください。

荷物、警察官、検察官と姿を変えながら近づいてくる、実に手の込んだ詐欺です。電話やビデオ通話で焦らされても、まず一呼吸置いて家族や警察に相談してください。それだけで大切なお金を守れます。