「あなたの名前で荷物が届いています」――その一言から、被害は始まりました。静岡市の70代男性は、郵便局員や警視庁の刑事を名乗る人物にだまされ、2カ月で4800万円を振り込んでしまいました。
何が起きたか
2026年5月下旬、静岡市葵区に住む70代の無職の男性の自宅に、郵便局員を名乗る人物から電話がありました。「あなたの名前で現金の入った荷物が送られている」という内容でした。
その後、警視庁の刑事を名乗る別の人物からも連絡が入りました。「あなたは事件の捜査対象になっている」「身の潔白を証明するには、警察の資金調査に協力してほしい」と説明されたといいます。
指示に従い、男性はレターパックで送られてきたスマートフォンを使って新しい銀行口座を開設。2カ月の間に5回にわたり、合わせておよそ4800万円を振り込みました。
被害が発覚したのは、別の事件を捜査していた本物の警察が、男性の口座から現金が引き出されていることに気づき、連絡したときだったといいます。
手口の解説

①接触:郵便局員を名乗り、「あなたの名前で現金入りの荷物が届いている」と電話をかけ、不安をあおる
②信用させる:警視庁の刑事を名乗る別人物が登場し、「捜査対象になっている」「身の潔白を証明するため協力を」と説得する
③金銭要求:レターパックで届いたスマートフォンを使って新しい口座を開設させ、「資金調査」の名目で繰り返し振り込ませる
郵便局員をかたる詐欺は今年に入り各地で相次いでおり、滋賀県では同様の手口で2人が合わせて約7900万円をだまし取られた例も報告されています。犯人が用意したスマートフォンで新しい口座を開設させる今回のような手口は、新しいパターンとして注意が必要です。
今日からできる対策
- 「荷物が届いている」という電話だけで信じない。心当たりのない荷物は、まず自分で郵便局や配送業者に問い合わせて確認する
- 警察官や刑事が、電話で「資金調査に協力してほしい」などとお金や口座の話をすることはない
- 見知らぬ相手から送られてきたスマートフォンは使わない。指示されるまま新しい口座を開設しない
- 「捜査対象」「身の潔白の証明」といった言葉で不安をあおられたら、まず詐欺を疑う
- 一人で判断せず、家族や警察相談専用電話「#9110」に相談する
もし被害に遭ったら
少しでも不審に思ったら、振り込む前に必ず家族や警察に相談してください。お金に関する相談は消費者ホットライン「188」、事件については警察相談専用電話「#9110」で受け付けています。

「郵便局員です」「警察です」――名乗られると、つい信じてしまいますよね。でも、お金や口座の話が出たら、一度電話を切って確かめる。その一手間が、あなたの財産を守ります。
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