「屋根を無料で点検しますよ」。そんな声かけから始まる詐欺が、全国各地で相次いでいます。2026年7月、山形県でこの手口を使ったグループ5人が逮捕されました。被害を阻止したのは、銀行の窓口担当者でした。
何が起きたか
2026年7月9日、屋根の修繕が必要だとうそをつき、工事代金をだまし取ろうとした疑いで5人が逮捕されました(詐欺未遂・特定商取引法違反)。
グループは山形県庄内町の60代の女性宅を訪問。修繕の必要がない屋根について「このままでは雨漏りする」「鬼瓦がずれている」などとうそをつき、リフォーム契約を結ばせました。
女性が工事代金110万円を用意しようと銀行に向かったところ、事情を聞いた窓口担当者が不審に気づき警察に通報。これにより被害が未然に防がれ、グループの逮捕につながりました。その後、同グループは山形県酒田市での同様の詐欺未遂容疑でも再逮捕されています。
手口の解説

屋根点検商法は、次のような流れで被害が発生します。
①突然の訪問 「近くで工事をしていたのでご挨拶に」「無料で点検しますよ」と言って自宅を訪問します。実在する工務店や建設会社の名前を名乗ることもあり、一見すると信頼できる業者に見えます。
②偽りの点検 屋根に上がり、問題がないのに「瓦がずれている」「このままでは雨漏りする」と言って不安をあおります。屋根の上は素人には見えないため、確認するすべがありません。
③契約を迫る 「今すぐ直さないと大変なことになる」と焦らせ、高額な工事契約を結ばせます。役割を分担しており(アポインターと交渉役など)、組織的に動いています。
④現金を要求 振り込みではなく現金での支払いを求めるケースが多くあります。このとき銀行で大金を引き出そうとすると、窓口担当者が気づいて被害を防いでくれることがあります。
今日からできる対策
- ☑ 突然訪問してきた業者の「無料点検」は断る。本物の業者は飛び込みで点検はしない
- ☑ 業者名を名乗られても、自分でネット検索・電話番号を調べて直接確認する
- ☑ 屋根に上げて写真を見せられても、第三者(信頼できる別の業者)に確認してから契約する
- ☑ 「今すぐ契約しないと大変」は詐欺のサイン。その場では絶対に契約しない
- ☑ 銀行で大きなお金を引き出す前に、家族や知人に相談する
また、訪問販売で契約した場合は、契約書面を受け取った日から8日以内なら「クーリングオフ」(無条件解約)ができます。書面で通知すれば費用は一切かかりません。
もし被害に遭ったら
「契約してしまった」「お金を渡してしまった」という場合は、すぐに次の窓口へ相談してください。
- 消費者ホットライン「188」(いやや):クーリングオフや悪質業者の相談ができます
- 警察相談専用電話「#9110」:詐欺被害の相談窓口です
- 国民生活センター「消費者生活センター」:お近くのセンターに相談を

今回の事件では、銀行の窓口担当者の「おかしいな」という直感が被害を救いました。大きなお金を動かすときは、必ず誰かに話してから。「一人で決めない」ことが、詐欺への最大の防衛策です。
コメント