「お金配り」は本物?|口座を渡すと起きる危険

「お金配ります」というSNSの投稿を見かけたことはありませんか。結論から言うと、そのほとんどは詐欺の入り口です。口座情報やキャッシュカードを渡すと、あなた自身が詐欺に加担したと疑われる危険があります。

  • 「お金配り」投稿がなぜ詐欺なのか、仕組みがわかります
  • 口座情報やカードを渡した後に何が起きるか、具体的な被害がわかります
  • 今すぐやめるべきこと、家族に伝えるべきことがわかります

いま何が起きているか

SNSをきっかけにした金銭トラブルの相談が、全国で急増しています。「お金配り」もその一つです。

国民生活センターによると、SNSをきっかけに著名人になりすました勧誘を受けたという相談は、2022年度と比べて約9.6倍に急増しています(国民生活センター調べ)。警視庁生活安全部も公式X(2024年8月5日)で「お金配りアカウントに注意!」「おいしすぎる話には裏がある!」と注意を呼びかけました。

狙われるのは高齢者だけではありません。口座を持ったばかりの学生や若者が、お小遣い感覚で応募してしまうケースが目立ちます。だまされる方が悪いのではなく、だます側がそう仕向けるプロなのだと覚えておいてください。

なぜ今注目すべきかというと、「お金配り」で集めた口座が、高齢者を狙う還付金詐欺やオレオレ詐欺の受け取り口座として転用されるからです。つまり若い世代が軽い気持ちで応募することが、巡り巡って離れて暮らす祖父母世代の被害にもつながります。

手口の解説

「お金配り」詐欺は、次の4段階で進みます。応募した時点ではまだ被害になりません。危ないのは③以降です。

①募集:SNSで「お金配ります」「フォロー&リポストで当選」といった投稿を見つけ、興味を持って応募する。

②当選通知:DMやLINEで「当選しました」と連絡が来る。希望額やお金が必要な理由を聞かれることもある。

③情報要求:お金を受け取るためだと説明され、銀行名・支店・口座名義・口座番号・暗証番号や、キャッシュカード自体の郵送を求められる。

④実行:口座やカードを渡すと、詐欺グループがその口座を還付金詐欺など別の詐欺の受け取り先に使う。預金は引き出され、口座は凍結され、持ち主は「口座を売った」として捜査対象になる。

途中で不安になっても、「確かに振り込みました」といった偽の着金報告を送り、安心させて次の指示に従わせる手口も報告されています。口座や通帳を他人に譲り渡す行為は、犯罪収益移転防止法で禁止されており、たとえ「騙されただけ」のつもりでも処罰の対象になり得ます。

お金配りアカウントに応募してから口座とキャッシュカードを渡し、詐欺に使われるまでの手口を示す3コマ図解

実際のセリフ・文面

犯人が使う言い回しを知っておけば、怪しいと気づきやすくなります。

「銀行口座を開設して、届いたキャッシュカードを送ってくれれば、一週間後にその口座にお金を入れて、カードを戻します」(出典:Yahoo!ニュース エキスパート・多田文明氏、2022年7月3日)
→ここが見抜くポイント:お金を受け取るのに、自分の口座やカードを人に渡す必要は絶対にありません。「カードを送って」と言われた時点で100%詐欺です。

「(銀行からの警告は)全て無視して大丈夫です」(同上出典)
→ここが見抜くポイント:銀行や警察からの注意を「無視していい」と言う相手は、ほぼ確実に詐欺の関係者です。

「お金配りアカウントに注意!」「おいしすぎる話には裏がある!」(警視庁生活安全部・公式X、2024年8月5日)
→ここが見抜くポイント:警察自身が「おいしすぎる話」と呼ぶほど、この手口は全国で繰り返されている典型パターンです。

今日からできる対策

  • 「お金配ります」系の投稿は今すぐブロック・通報する(1分でできます)
  • 知らないアカウントをフォロー・リポスト・いいねしない。興味本位の反応も「カモ」と見られるきっかけになります
  • 口座番号・名義・暗証番号・キャッシュカードは、どんな理由でも他人に教えない、渡さない
  • 「当選しました」というDMが来ても、今すぐ個人情報を送らず、まず家族か警察に相談する
  • すでに情報を教えてしまった場合は、今日中に口座のある銀行へ連絡し、凍結を依頼する

家族ができること

  • 離れて暮らす家族に「最近SNSで『お金配り』って見た?」と気軽に聞く電話を一本かけてください
  • 中高生や大学生がいる家庭では、SNSの「当選」話は必ず家族に先に相談するルールを決めておきましょう
  • 口座を人に渡すと「自分が詐欺の加害者」として捜査される可能性があることを、具体的に伝えてください

よくある質問

Q. お金配りに応募しただけで捕まりますか?
A. 応募しただけでは罪になりません。ただし、口座情報を教えたりキャッシュカードを渡したりすると、口座が詐欺に使われ、本人も捜査対象になることがあります。

Q. 口座番号だけなら教えても大丈夫ですか?
A. 大丈夫ではありません。口座番号と名義がわかれば、詐欺グループはその口座を別の詐欺の受け取り先として悪用できます。絶対に教えないでください。

Q. もう口座情報を教えてしまいました。どうすればいいですか?
A. 今すぐ口座のある銀行に連絡し、口座凍結の手続きを確認してください。警察相談専用電話「#9110」にも相談できます。

もし被害に遭ったら

口座やカードをすでに渡してしまった場合は、一人で抱え込まず、すぐに次の窓口へ連絡してください。

口座のある銀行 キャッシュカード裏面の緊急連絡先、または代表電話。口座凍結を依頼する
警察相談専用電話 #9110 詐欺に巻き込まれた・関わってしまったかもしれない相談全般
消費者ホットライン 188 お金のトラブル全般の相談。最寄りの消費生活センターにつながる

相談先の一覧は詐欺かもと思ったら|188・#9110の相談先まとめでも詳しく解説しています。

安国院道和
安国院道和

「お金を配ります」という言葉は、人の優しさや欲につけこむ罠です。あなたやご家族がその言葉に出会ったら、まず誰かに話してください。口座やカードを渡す前の一本の電話が、大切な人を守ります。

あわせて読みたい

出典:

タイトルとURLをコピーしました