「電力会社です。分電盤を点検します」と言われて、つい家に入れてしまったことはありませんか。これは点検商法の典型的な手口です。業者が来たら家に入れず、その場で「点検は不要です」と断ってください。
- 点検商法で実際に使われている業者のセリフと、手口が進む3つの段階
- その場で使える「断り方」の具体的な言い回し
- 契約してしまった後でもクーリングオフできる条件と相談先
いま何が起きているか
結論:分電盤の点検商法の相談は2026年度も急増しており、7月末までに2,223件に達しています。
国民生活センターによると、分電盤の点検商法に関する相談は2022年度14件→2023年度39件→2024年度1,290件→2025年度6,545件(前年度の約5倍)と急増し、2026年度は7月31日までで既に2,223件の相談が寄せられています(国民生活センター調べ、2026年9月16日公表)。2025年度の相談者は70歳以上が8割を超えており、高齢者が特に狙われやすい手口だとされています。屋根や給湯器、太陽光発電設備の点検商法でも同じような手口が相次いでおり、全国どこでも起こり得ます。だまされる方が悪いのではなく、だます側がプロです。
点検商法の手口
結論:点検商法は「①無料点検を理由に家に入り込む→②架空の不具合で不安をあおる→③その場で契約させる」という3段階で進みます。

①接触:「電力会社のものですが、分電盤の点検に伺いました」「市役所から依頼されて回っています」などと、電話や訪問で近づいてきます。実際には、電力会社や市役所が個別の家庭を回って点検を依頼することは通常ありません。
②不安をあおる:点検した後に「分電盤の耐用年数は法律で15年と決まっている。漏電したら大変なことになる」「屋根がずれている」「水漏れの危険がある」などと、架空または誇張した不具合を指摘します。法定点検では、調査員がその場で交換工事を勧めることはありません(国民生活センター)。
③契約させる:不安になった相手に、その場で高額な工事契約書に署名させます。分電盤の交換工事で14万円程度、太陽光発電設備の点検商法では数十万円〜百万円規模の契約に至った例も報告されています(国民生活センター調べ)。
実際のセリフ・文面
「電力会社のものですが、分電盤の点検に伺います」
ここが見抜くポイント:電力会社や市役所が、こうした個別訪問の点検を業者に依頼することはありません(国民生活センター)。
「分電盤の耐用年数は法律で15年と決まっている。漏電したら大変なことになる」
ここが見抜くポイント:法定点検の調査員が、その場で交換工事の契約を持ち掛けることはありません(国民生活センター)。
「屋根がずれている」「屋根が落ちてきて、通行人に怪我をさせたら大変なことになる」
ここが見抜くポイント:無料点検を理由に屋根や床下に上がった業者が、架空の不具合で不安をあおる典型的な言い回しです(警視庁)。
「市役所から依頼されました」
ここが見抜くポイント:市役所が民間業者に家庭訪問での点検や契約を依頼することは通常ありません。不安な場合はその場で判断せず、市役所に電話で確認してください。
今日からできる対策
- 今日から徹底(0分):「点検します」という訪問・電話があったら、家に入れず、その場で断ってください。これが最も確実な方法です
- その場で使えるセリフ:「結構です、お断りします」「今後の勧誘は一切不要です」とだけ伝え、会話を広げないでください
- 5分でできる:インターホンのモニターで応対し、ドアを開けずに断ってください
- 契約してしまっても今日中に:契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフができます。書面の日付を確認してください
- 迷ったらその場で:契約前に一人で決めず、消費者ホットライン188にすぐ電話して相談してください
家族ができること
- 今日の電話で:「最近、点検に来た業者はいなかった?」と聞いてみてください
- 次の帰省時に:工事の契約書や見積書が置いてないか、一緒に確認してください
- 伝えておく:「点検や工事の契約は、その場でサインせず必ず家族に電話する」という約束を決めてください
よくある質問
Q. 点検商法とはどんな手口ですか?
A. 無料または安価な点検を持ちかけて家に入り込み、「大変なことになる」と不安をあおって不要な工事や契約を結ばせる悪質商法です。
Q. 本当に点検や修理が必要かどうか、その場で見分ける方法はありますか?
A. その場で見分ける必要はありません。無料点検を持ちかけてその日のうちに契約させようとする時点で疑ってください。契約前に複数社から見積りを取り、一人で決めないことが確実な対策です。
Q. 契約してしまった後でも断れますか?
A. 契約書を受け取った日から8日以内ならクーリングオフができます。期間を過ぎていても諦めずに消費者ホットライン188に相談してください。
もし被害に遭ったら
結論:契約書に署名してしまった、お金を払ってしまった場合は、すぐに相談窓口に連絡してください。
| 窓口 | 連絡先 | こんな時に |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 188 | 契約・クーリングオフの相談、お金のトラブル全般 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 悪質な勧誘・しつこい訪問に困っている |
| 警察(緊急) | 110 | 業者が居座っている、脅されているなど今すぐ危険な場合 |
クーリングオフの具体的な手順はクーリングオフのやり方|書面・電話・メールでの解約手順でも詳しく解説しています。

「無料で点検します」と言われても、断ることに気を遣う必要はありません。玄関を開けないことが、一番の防御になります。迷ったら、その場で決めずに188へ相談してください。
あわせて読みたい
出典:
国民生活センター「分電盤の点検商法にご注意ください―相談が各地に広がり増加しています―」(2026年9月16日公表)
警視庁「点検商法」