「水漏れです。確認させてください」――そう言われて、家に入れてしまったことはありませんか。認知症の高齢者を狙う、悪質な点検商法(不安をあおって不要な工事を契約させる手口)の実態です。
何が起きたか
2026年7月上旬、埼玉県警はリフォーム会社の代表の男(30)ら4人を、準詐欺(判断力が低下した相手をだます詐欺)の疑いで逮捕しました。
被害に遭ったのは、千葉県松戸市で一人暮らしをしていた、認知症の女性(当時80)です。男らは「水漏れです」などと偽り、トイレの改装工事をはじめ計6回もの契約をさせ、約5か月間でおよそ2,000万円をだまし取った疑いがあります。
手口はこうです。あらかじめ用意したペットボトルの水をトイレ周りにまき、水漏れがあるように見せかけていました。不安になった女性に、そのつど新しい工事を勧めていたとみられます。
この会社は、認知症などで判断力が低下している高齢者を見つけると、「激アツ」「ド当たり」という言葉でアプリ上の仲間に伝えていたといいます。約3年間で、1都4県のおよそ900人から、合計およそ10億円を売り上げていたとみられています。(出典:テレビ朝日系ANN、FNNプライムオンライン、日本経済新聞)
手口の解説

①【接触】「点検します」と偽り、家に入り込む
「近くで工事をしています」「無料で点検します」などと声をかけ、家の中に入り込みます。
②【不安をあおる】故障を演出し、不安にさせる
水をまいて水漏れに見せかけるなど、実際にはない不具合を作り出し、「今すぐ直さないと」と思わせます。
③【契約させる】不要な工事を繰り返し契約させる
一度契約させたら終わりではなく、「ついでにここも」と別の工事を次々と持ちかけ、契約を繰り返させます。
今日からできる対策
✅ 「無料点検」を理由にした訪問は、まず疑う
頼んでもいないのに来た点検・工事の勧誘は、詐欺を疑ってください。
✅ その場でサインしない。必ず持ち帰って検討する
「今すぐ決めないと」と急がせる話は危険信号です。一度家族に相談する時間を作りましょう。
✅ クーリングオフを知っておく
訪問販売は、契約書を受け取ってから8日以内なら、理由を問わず無条件で解約できます。
✅ 離れて暮らす家族の契約状況を、時々確認する
見慣れない工事業者のチラシや書類、通帳の変化がないか、帰省時などに聞いてみてください。
✅ 認知症の家族がいる場合は、地域包括支援センターにも相談しておく
見守りの体制を事前に整えておくことが、被害の予防につながります。
もし被害に遭ったら
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):契約トラブルの相談ができます。
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:悪質商法の被害を相談できます。
- ⚠️ 契約から8日以内ならクーリングオフを:期間が過ぎていても、消費生活センターに相談すれば対応してもらえる場合があります。あきらめないでください。

判断力が弱った方を見つけて喜ぶ――それが詐欺師の本性です。離れて暮らすご家族のことも、時々気にかけてあげてください。
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