SNSで出会った相手に「二人の生活を豊かにしよう」と言われたら、あなたはどう思いますか。新潟県長岡市の60代男性は、その言葉を信じて4000万円を失いました。
何が起きたか
2026年3月中旬から4月初旬にかけて、事件は起きたとみられています。
新潟県長岡市に住む60代の男性が、SNSを通じて「架空の女性」と知り合いました。相手はメッセージアプリで、交際や結婚をほのめかしました。
「これからの二人の生活を、もっと豊かにしよう」。男性はそう持ちかけられ、現金や暗号資産を渡しました。被害額は、あわせて4000万円相当にのぼるとみられています。
新潟県警長岡署は8月12日、詐欺の疑いで東京都葛飾区の無職の女(26)を逮捕したと発表しました。
女は「架空の女性を装って」男性に近づいたとされます。何者かと共謀した可能性があるとみて、捜査が続いています。
手口の解説

今回の事件は、次のような流れで進んだとみられています。
①接触 — SNSやマッチングアプリを通じて、「架空の女性」を名乗るアカウントが近づいてきます。
②信用させる — メッセージアプリでやり取りを重ね、交際や結婚をほのめかします。「二人の将来」を語りかけ、気持ちをつかみます。
③金銭要求 — 「二人の生活を豊かにするため」などと理由をつけ、現金や暗号資産の提供を求めます。
④継続 — 一度渡すと、さらに別の名目で追加の送金を求められることもあります。
今回の事件では、女は単独ではなく何者かと共謀した疑いがあります。ロマンス詐欺は、複数人が役割を分担する組織的な犯行であることも少なくありません。
SNSやマッチングアプリをきっかけにした「ロマンス詐欺」は、全国各地で起きています。相手の顔も本名も分からないまま、お金だけが動いていくのです。
恋愛感情につけこむからこそ、被害者は「相手を信じたい」という気持ちが先に立ち、冷静な判断がしにくくなります。
今日からできる対策
- 会ったことがない相手から「結婚」や「交際」をほのめかされても、恋愛感情だけで信じない
- 「二人の将来のため」など理由が何であれ、送金や暗号資産の提供は求められても応じない
- 直接会って本人確認ができない相手とは、お金のやり取りを絶対にしない
- 動画通話などで実際に相手の顔を確認できるまでは、大きな金額を動かさない
- SNSやアプリで届いた甘い言葉は、まず家族や友人に話してみる
- 少しでも違和感を覚えたら、すぐにやり取りを中断し、相手をブロックする
もし被害に遭ったら
お金を振り込んでしまった、あるいは暗号資産を送ってしまった場合は、すぐに警察に相談してください。暗号資産の送金は、一度手続きすると取り消せません。少しでも早い相談が被害の拡大を防ぎます。
消費者ホットライン「188」でも、同様の相談を受け付けています。
「これって詐欺かもしれない」と迷う段階でも、警察相談専用電話「#9110」に電話してかまいません。家族に話しにくいと感じても、1人で抱え込まないでください。

「二人の生活を豊かに」という言葉は、本当に大切な人からもらえたら、これほど嬉しい言葉はありません。だからこそ、悪用されると人の心を深く傷つけます。会ったことのない相手からのその言葉には、まず立ち止まってほしいと思います。