パソコンに「ウイルスに感染しました」という警告が出て電話をかけ、言われるまま遠隔操作ソフトを入れてしまった。そんなときは、結論としてまずインターネットを切断し、ソフトの削除・パスワード変更・金融機関への連絡の順で動いてください。
この記事でわかること
- サポート詐欺で遠隔操作ソフトを入れてしまった直後にやるべきことの順番
- 遠隔操作で実際に使われる警告画面・電話のセリフと見抜き方
- お金を払っていなくても相談すべき窓口
いま何が起きているか
サポート詐欺で遠隔操作ソフトを入れさせられ、不正送金などの被害につながるケースが各都道府県警で相次いで報告されています。結論として、遠隔操作ソフトを入れてしまった時点で被害が確定するわけではなく、その後の対応次第で被害を防げます。
警察庁は公式サイトで、パソコン閲覧中に偽のウイルス感染警告を表示させ、電話をかけさせたうえで遠隔操作ソフトをインストールさせる手口に注意を呼びかけています(警察庁「サポート詐欺対策」)。遠隔操作ソフトを入れてしまうと、アカウントを乗っ取られて不正送金などの被害に遭うおそれがあると説明されています。
情報処理推進機構(IPA、国の情報セキュリティ機関)も2023年に注意喚起を出しており、副業の説明用アプリと称して遠隔操作ソフトを入れさせる手口と、サポート詐欺で入れさせる手口の両方が報告されています(IPA「遠隔操作ソフト(アプリ)を悪用される手口に気をつけて!」)。どちらも「ネットワークを切断する」ことが共通の初動対応です。
手口の解説

この詐欺は3つの段階で進みます。順番に見ていきましょう。
①偽の警告画面が出る:インターネットを見ている最中に、突然「ウイルスに感染しています」という警告画面が表示され、警告音が鳴ります。
②電話をかけさせる:画面に表示された電話番号に連絡させ、片言の日本語を話すオペレーターなどが「サポート」を名乗ります。
③遠隔操作ソフトを入れさせる:「状態を確認します」などと言って操作を指示し、言われるままに進めると遠隔操作ソフトがインストールされ、画面を操作されてしまいます。その後、有償サポート名目での金銭要求や、ネットバンキングへの不正アクセスにつながります。
以前に紹介した「ウイルスに感染しました」の偽警告は、まさにこの①の段階です。今回は、その先に進んで③まで行ってしまった後の対処法を解説します。
実際のセリフ・文面
警察庁の相談事例に載っている実際の文言です。「ここが見抜くポイント」も合わせて確認してください。
警告画面:「ウイルスに感染しています。カスタマーサポートまで電話して下さい」(警察庁「サポート詐欺対策」掲載の相談事例)
→ここが見抜くポイント:WindowsやMac、セキュリティソフトが警告を出すとき、電話番号を表示して電話をかけさせることは絶対にありません。
電話での会話:「ウイルスに感染しています。有償で除去します。2年間のサポート付です」「3年間のサポート代金5万円を電子マネーで支払うように」(同、別の相談事例)
→ここが見抜くポイント:正規のサポートが電子マネーでの支払いを求めることはありません。電子マネーや現金を要求された時点で詐欺と判断してください。
今日からできる対策
- 遠隔操作ソフトを入れてしまったら、今すぐWi-Fiを切るか、LANケーブルを抜いてネットを切断する(1分でできます)
- ネット切断後、アプリの一覧から入れてしまった遠隔操作ソフトを探してアンインストールする
- 不安が残る場合は、パソコンを「システムの復元」または初期化する(今夜のうちに)
- ネットバンキング・メール・SNSなど、使ったことのあるパスワードは全て変更する(特に優先)
- カード情報や口座情報を見せてしまった場合は、すぐにカード会社・銀行に連絡し、利用履歴を確認する
だまされる方が悪いのではありません。本物のサポート画面そっくりに作り込み、冷静な判断をさせないのがプロの詐欺グループです。
家族ができること
- 離れて暮らす親に、警告画面が出たら電話をかける前に家族へ連絡する約束を今日の電話でしておく
- パソコンに遠隔操作ソフト(見覚えのないアプリ)が入っていないか、一緒に画面を確認する
- ポップアップ広告をブロックする設定を、訪問したときに一緒に済ませておく
よくある質問
Q. 遠隔操作ソフトを入れてしまったら、すぐ何をすればいいですか?
A. まずインターネットを切断してください。Wi-Fiを切るかLANケーブルを抜けば、遠隔操作を止められます。その後にソフトの削除やパスワード変更を行います。
Q. 遠隔操作ソフトをアンインストールするだけで大丈夫ですか?
A. アンインストールは必須ですが、それだけでは不十分です。見せてしまった情報によっては不正アクセスが続く可能性があるため、パスワードの変更と金融機関への確認も合わせて行ってください。
Q. お金を払っていなくても相談した方がいいですか?
A. はい。お金を払っていなくても、遠隔操作ソフトを入れてしまった時点で情報を見られている可能性があるため、警察やIPA、消費生活センターに相談してください。
もし被害に遭ったら
金銭を要求された、不正送金が疑われる場合は、振り込んでしまった直後の対処も参考に、1人で悩まず次の窓口に相談してください。
| 窓口 | 電話番号 | 相談できること |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 遠隔操作・不審な電話そのものの相談 |
| 消費者ホットライン | 188 | お金に関わる相談・契約トラブル |
| IPA安心相談窓口 | 03-5978-7509 | 遠隔操作ソフト・ウイルスの技術的な相談(平日10:00〜12:00、13:30〜17:00) |
| 警察(緊急の場合) | 110 | 不正送金が発生した・発生しそうな場合 |

画面を操作されたと気づいた瞬間は、誰でも頭が真っ白になるものです。でも焦らなくて大丈夫。まずはネットを切る、それだけで悪事は止まります。そのあとの後始末は、一人で抱え込まず窓口に頼ってくださいね。