「コンビニで電子マネーを買って、番号を教えてください」。そう言われて応じてしまったら、お金を取り戻すのは非常に困難です。まずは落ち着いて、電子マネーの発行会社と警察に今すぐ連絡してください。
- 電子マネー(プリペイドカード)を買わせる詐欺は、架空請求やサポート詐欺など様々な手口の「支払わせ方」として今も使われ続けている
- 番号を伝えた直後でも、発行会社への連絡が早ければ被害を抑えられる可能性がある
- 「電子マネーを買ってきて」と言われたら、理由を問わずその場で断ってよい
いま何が起きているか
結論:特殊詐欺の被害は2026年上半期も過去最悪を更新しており、その支払わせ方の一つとして、コンビニの電子マネーが今も悪用され続けています。
警察庁によると、令和8年(2026年)上半期の特殊詐欺の認知件数は22,031件(前年同期比+3,408件、+18.3%)、被害額は1,816.2億円(前年同期比+618.8億円、+51.7%)で、1日あたりの被害額は10.0億円に上るという(警察庁、2026年7月30日発表)。
電子マネー(プリペイドカード)を買わせる手口は、架空請求やサポート詐欺、還付金名目の詐欺など、複数の詐欺類型に共通して使われる「支払わせ方」の一つです。国民生活センターには、身に覚えのない請求を名目にコンビニで電子マネーを買わされ、番号を伝えてしまったという相談が今も全国から寄せられています(国民生活センター)。
手口の解説
結論:この詐欺は「不安や焦りをあおる→コンビニでの購入を指示する→番号を聞き出す」という3段階で進みます。
①接触:「サイトの利用料金が未納になっている」「パソコンがウイルスに感染した」などの名目で、電話・メール・パソコンの警告画面を通じて連絡してきます。「このままでは裁判になる」など、法律的な言葉で不安をあおるケースもあります(国民生活センター)。
②誘導:「今すぐ現金を用意できなくても、コンビニで電子マネー(プリペイドカード)を買えば大丈夫」と、あたかも親切な提案のように購入先や金額を指定してきます。
③聴取:購入した電子マネーのカード裏面を削って出てくる英数字の「番号(ID)」を、電話口やメール、SMSで伝えるよう指示されます。この番号さえ伝われば犯人はその場で電子マネーを使用・換金でき、一度伝えると取り戻すことはほぼ不可能です(国民生活センター)。サポート詐欺の警告画面をきっかけに電子マネーを要求されるケースもあり、画面が消えない場合の対処はサポート詐欺の警告画面|消し方と電話後の対処法でも解説しています。

実際のセリフ・文面
国民生活センターに寄せられた相談事例をもとにした実際のセリフです(出典:国民生活センター)。
「サイト利用料金が1年間未納になっており、このままでは裁判にかけられます。未納料金と弁護士費用などで30万円を、コンビニで電子マネーを購入して支払えば、裁判を止めることができます」
ここが見抜くポイント:「未納料金を電子マネーで支払え」と言われた時点で詐欺です。公的機関や正規の事業者が、電子マネーでの支払いを求めることはありません。
「他にも2つのサイトで未納料金があります。さらに50万円を支払えば、まとめて手数料を差し引いて返金します」
ここが見抜くポイント:一度支払うと「まとめて返金する」などと言って、追加の電子マネー購入を求めてくるのが典型的なパターンです。応じるほど被害は広がります。
コンビニでの購入を指示する場面では、「コンビニで電子マネーを買って、カードの番号を教えてください」という言い回しが各地の自治体・警察の注意喚起でも共通して紹介されています。
ここが見抜くポイント:理由が何であれ、電子マネーの購入と番号の提示を求められたら、それだけで詐欺と判断してください。
今日からできる対策
- 今すぐ:「電子マネーを買ってきて」「番号を教えて」と言われたら、理由を聞かずその場で電話を切る
- 今すぐ:電子マネーの番号は、写真を撮って送ることも含めて絶対に他人に伝えない
- コンビニで:店員から「何にお使いですか」と声をかけられたら、指示された理由を正直に話す(声かけが被害を防ぐきっかけになる)
- 1分でできる:家族と「電子マネーを買えと言われたら、まず家族に電話する」というルールを決めておく
- 今夜のうちに:スマホで非通知・国際電話番号からの着信を拒否・警告表示に設定する
だまされる方が悪いのではありません。不安をあおり、親切ごかしに「解決策」を示して信用させるのが、詐欺を働く側の手口です。
家族ができること
- 離れて暮らす親に「コンビニで電子マネーを買えと言われたら、支払う前にまず電話して」と伝えておく
- コンビニのレジで店員が声をかけてくれる取り組みがあることを一緒に確認し、「聞かれたら正直に話していい」と伝えておく
- 迷惑電話・国際電話番号の着信拒否設定を、帰省時など顔を合わせるタイミングで一緒に行う
よくある質問
Q. 電子マネーの番号を伝えてしまいました。返金してもらえますか?
A. 電子マネーは番号を伝えた時点で使われてしまうことが多く、取り戻すのは非常に困難です。それでも諦めず、すぐに発行会社へ連絡してください。未使用分があれば利用停止などの対応をしてもらえる可能性があります。
Q.「電子マネーを買ってきて」と言われたら、コンビニの店員に何と言えばいいですか?
A. そのまま「詐欺かもしれないと言われたので電子マネーを買いに来た」と正直に伝えてください。多くのコンビニでは、店員がお客様に声をかけて被害を防ぐ取り組みをしています。
Q. なぜ詐欺は現金ではなく電子マネーを使わせるのですか?
A. 電子マネーは番号さえ分かれば銀行口座を介さずその場で使え、犯人の足がつきにくいためです。警察庁や国民生活センターも、電子マネーでの支払いを求める連絡への注意を呼びかけています。
もし被害に遭ったら
結論:電子マネーの番号を伝えてしまったら、まず電子マネーの発行会社に連絡してください。お金のことで困ったら188、犯罪が疑われるときは#9110に相談できます。
| 窓口 | 連絡先 | こんな時に |
|---|---|---|
| 電子マネー発行会社 | カードやレシートに記載の連絡先 | 番号を伝えてしまった直後、利用停止を相談したい |
| 消費者ホットライン | 188 | 詐欺かどうか相談したい、お金のトラブル全般 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 犯罪が疑われる、被害届を出したい |
どの窓口に相談すればよいか迷ったときは、詐欺かもと思ったら|188・#9110の相談先まとめも参考にしてください。

コンビニのレジで「電子マネーを」と言われたら、それはもう黄色信号です。番号を伝える前に、ほんの一本、家族や警察に電話をかけてみてください。その一本が、あなたのお金を守ります。
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出典:
警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」
国民生活センター「覚えのない未納料金を請求する詐欺に注意!-請求に応じない!電子マネー番号を伝えない!-」