パソコンに突然「ウイルスに感染しました」という警告画面が出て、消し方が分からず固まっていませんか。あわてて表示された番号に電話をかけると、サポート詐欺の被害につながります。画面の消し方と、もし電話してしまった後の対処法を解説します。
いま何が起きているか
国民生活センターによると、サポート詐欺の相談件数は年間5,000件台で推移していましたが、2023年度は前年度同期と比べて約1.3倍に増加しました。特に70歳以上の相談件数が大幅に伸びています。
新しい手口として、遠隔操作ソフトを使って振込額そのものを書き換える手口が確認されています。「修理代として100円を入力したはずが、実際には100万円が振り込まれていた」という被害事例が報告されており、手口はますます巧妙になっています。
警察庁も、偽の警告画面や警告音でユーザーの不安をあおり、表示された電話番号に電話させたうえで金銭を要求したり、遠隔操作ソフトのインストールを強要したりする手口として、繰り返し注意を呼びかけています。
手口の解説
①【接触】偽の警告画面・警告音を表示させる
ウェブサイトを見ているときに突然、画面いっぱいに「ウイルス感染」を知らせる警告文が現れます。大きな警告音が鳴ることもあり、パニックにさせるのが狙いです。
②【誘導】画面に表示された番号に電話をかけさせる
「今すぐこちらへ電話してください」という番号が表示され、あわてた被害者はそのまま電話をかけてしまいます。この電話をかけないかぎり、被害は基本的に発生しません。
③【信用させる】サポートセンターを名乗り遠隔操作を求める
「マイクロソフトのサポートセンターです」などと流ちょうな日本語で対応し、「調査のため」と遠隔操作ソフトのインストールを求めてきます。
④【金銭要求】高額な現金・送金、または振込額の改ざんを行う
サポート料金として現金や電子マネーを要求するほか、遠隔操作中にインターネットバンキングの画面を操作し、振込先や金額を書き換えて高額を送金させる手口も報告されています(詳しくは「サポート詐欺」500万円被害|北見市で相次ぐ新手口で解説しています)。

こうした警告画面は、読んだ人を一瞬で焦らせるように巧妙に作り込まれています。だまされる方が悪いのではなく、あなたを焦らせる仕掛けを研究し尽くした、だます側がプロなのです。
実際のセリフ・文面
警察庁が公表している相談事例では、次のような警告文が使われています。
- 「ウイルスに感染しています。カスタマーサポートまで電話して下さい。」
ここが見抜くポイント:本物のセキュリティソフトやパソコンのOSが、画面に電話番号を表示して電話を促すことはありません。 - 「警告!コンピュータがウイルスに感染しています。サポートセンター(050-XXXX-XXXX)に電話してください」
ここが見抜くポイント:正規のセキュリティ警告に、特定の電話番号が書かれることはありません。番号が書かれている時点で偽物と判断してください。
(出典:警察庁「サポート詐欺対策」に掲載された事例より)
今日からできる対策
✅ 警告画面が出たら、ESCキーを2〜3秒間長押しする(今すぐ)
全画面表示が解除され、画面右上に「閉じるボタン」が出てきます。それをクリックしてブラウザを閉じれば、パソコンがウイルスに感染することはありません。タブレットの場合は画面を長押しすると、中央上部に「×」が表示されます。
✅ 表示された電話番号には絶対に電話をかけない(今すぐ)
電話さえかけなければ、被害はほぼ発生しません。画面を閉じるだけで対処は完了します。
✅ ESCキーで消えない時は、Ctrl+Alt+Deleteでタスクマネージャーを開き、ブラウザを強制終了する(1分でできる)
それでも消えない場合は、パソコン本体の電源ボタンを長押しして強制終了しても構いません。
✅ 消し方が分からず不安な時は、IPAの安心相談窓口に電話する(平日10:00〜17:00)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の安心相談窓口(03-5978-7509)で、無料で相談できます。
✅ 今夜のうちに、家族と「警告画面が出たら電源を切って相談する」ルールを決めておく
1つのルールを決めておくだけで、とっさの判断ミスを防げます。
家族ができること
離れて暮らす家族は、今日中に次の2つを済ませておいてください。
- 📞 「変な画面が出ても、電話番号にはかけずに私に連絡して」と伝える(電話一本)。一人で判断させない仕組みが、最大の防御になります。
- 🖥️ 親のパソコンに信頼できるセキュリティソフトを入れ、一緒に使い方を確認しておく(所要15分)。本物の警告と偽物の警告の違いを、実際の画面を見ながら教えてあげてください。
よくある質問
Q. すでに表示された番号に電話してしまいました。まだ間に合いますか?
A. 間に合います。お金を払っておらず、遠隔操作ソフトも入れていなければ、落ち着いて電話を切ってください。それだけで被害は防げます。
Q. 相手の指示で遠隔操作ソフトを入れて、操作させてしまいました。
A. まずインターネットの回線を切断してください。次に入れてしまった遠隔操作ソフトをアンインストールし、可能であればパソコンを初期化して、使っていたパスワードをすべて変更してください。
Q. クレジットカードや電子マネーで料金を支払ってしまいました。
A. すぐにカード会社・電子マネーの運営会社に連絡し、支払いの停止や取り消しを依頼してください。警察への相談もあわせて行ってください。
もし被害に遭ったら
- 💬 消費者ホットライン「188」(いやや):支払ってしまった料金の相談ができます。
- 📞 警察相談専用電話「#9110」:電話してしまっただけの段階でも相談できます。
- 💻 IPA安心相談窓口「03-5978-7509」(平日10:00〜12:00、13:30〜17:00):画面の消し方や遠隔操作の対処を専門家に相談できます。
- 🏦 カード会社・電子マネー会社へすぐ連絡:不正利用が疑われる場合は、利用停止の手続きを取ってください。

突然の警告画面に、心臓が飛び跳ねたことでしょう。でも大丈夫です。電話をかけず、ESCキーを長押しするだけで、多くの場合は無事に済みます。分からない時は一人で悩まず、家族やIPAの窓口を頼ってください。あなたは一人ではありません。
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