SNSで有名人を名乗る人から「投資話」が届いたら、それはほぼ詐欺です。山口県宇部市では50代女性が約1971万円をだまし取られました。著名人のなりすましには一切関わらず、すぐに警察へ相談してください。
- SNS投資詐欺の典型的な手口と、2026年上半期の被害額797.9億円という実態
- 「投資グループ」に誘われたときに現れる危険信号
- 誘われてしまった・お金を払ってしまった場合の対処法と相談先
いま何が起きているか
2026年上半期、SNSを使った投資詐欺の被害額は797.9億円に達し、過去最悪のペースで増えています(警察庁調べ、2026年7月31日発表)。
警察庁が公表した暫定値によると、2026年1月から6月までのSNS型投資詐欺の認知件数は5,893件。特殊詐欺全体では被害総額1,816.2億円、1日あたり約10億円が消えている計算です。
2026年10月5日には、山口県宇部市に住む50代の女性会社員が、SNSで著名人を名乗る人物から投資話を持ちかけられ、2026年1月29日から3月31日にかけて8回に分けて現金約1971万9000円を振り込んでしまったことが報道されました(NHK山口)。
手口の解説
SNS投資詐欺は、信用させてから少しずつ振込額を増やさせる、段階を踏んだ手口です。
- 接触:SNSの広告やダイレクトメッセージで、著名人や「投資家」を名乗る人物から声をかけられる
- 信用させる:LINEなどの投資グループに招待され、グループ内の「サクラ」が儲かった報告を次々と投稿する
- アプリへ誘導:暗号資産取引所のサポート担当などを名乗る人物から、投資専用アプリのインストールを勧められる
- 信用の上乗せ:最初は少額の「利益」を実際に返金し、本物だと信じさせる
- 金銭要求:「資金を増やせばもっと儲かる」と追加の振込を繰り返し要求する
- 手数料要求と連絡断絶:高額な「利益」が出た画面を見せ、受け取るための「手数料」を要求。支払うと連絡が途絶える
だまされる方が悪いのではありません。巧妙な演技で信用させるプロの手口に、誰でも引っかかる可能性があります。

実際のセリフ・文面
宇部市の事例で実際に使われたとされる勧誘の言葉です(出典:NHK山口)。言い回しを覚えておくと、同じ手口に気づきやすくなります。
「先生は投資の分野で30年以上の実践経験を持っています」
見抜くポイント:名前も知らない「先生」の経歴を強調するのは、信用させるための常套句です。本物の投資家が、無名のSNSグループで一般の人を勧誘することはありません。
「資金規模が潤沢であればあるほど、利益はさらに飛躍します」
見抜くポイント:もっとお金を入れさせるための誘導です。「もっと払えばもっと儲かる」と言われた時点で詐欺だと判断してください。
「資金を追加しない場合、相場変動が過度に大きくなると資金不足によって取引を継続できなくなり、結果として利益の上限が制限される可能性があります」
見抜くポイント:難しい言葉で焦らせて、冷静に考える時間を奪う手口です。長く複雑な説明をされたら、一度その場を離れて家族に相談してください。
今日からできる対策
- SNSのDMや知らないグループから来た投資話には、今日から一切乗らないと決める
- 「必ず儲かる」「今だけの特別枠」という言葉が出たら、その場で詐欺と判断して退会する
- 著名人の名前が出てきたら、本人の公式SNSアカウントで本当に発言しているか5分で確認する
- 投資アプリや取引所の名前は、インストールする前に必ず検索して実在と評判を確認する
- 個人名義の口座への振込を求められたら、その場で止めて今夜中に家族か警察に話す
家族ができること
- 離れて暮らす親に、今日電話をして「SNSの儲かる話はすべて詐欺」と伝える
- 親のスマホを一緒に見て、知らない人からのSNSメッセージやグループ招待が増えていないか確認する
- 月に一度、見覚えのない投資アプリがインストールされていないか親と一緒に確認する
よくある質問
Q. SNS投資詐欺は返金してもらえますか?
A. 一度振り込んだお金が戻ってくる可能性は低いです。ただ、振込先の口座が凍結されれば一部でも取り戻せることがあるため、気づいた時点で至急金融機関と警察に連絡してください。
Q. 著名人や経営者を名乗る人からの投資話は全部詐欺ですか?
A. SNSのDMやグループから一方的に届く投資の誘いは、ほぼすべて詐欺だと考えてください。本物の金融機関や登録業者は、SNSのDMで一般の人に直接投資を勧誘しません。
Q. すでにアプリをインストールして個人情報を入力してしまいました。どうすればいいですか?
A. すぐにアプリを削除し、入力した情報に関わるパスワードを変更してください。警察相談専用電話#9110に相談し、必要なら警察に被害を届けてください。
もし被害に遭ったら
お金を振り込んでしまった、個人情報を入力してしまった場合は、一人で悩まずすぐに相談してください。相談窓口は複数あります。
| 窓口 | 電話番号 | 相談できること |
|---|---|---|
| 警察相談専用電話 | #9110 | 詐欺かどうかの相談、被害届の出し方 |
| 消費者ホットライン | 188 | お金のトラブル全般、クーリングオフなど |
| 振込先の金融機関 | 各銀行の相談窓口 | 口座凍結の依頼(振り込んだ直後ほど有効) |

「先生」や「有名人」の名前は、信じてもらうための道具に過ぎません。SNSで知り合った人からの儲け話は、どれだけ立派な肩書きがついていても、まずは詐欺を疑ってください。おかしいと思ったら、一人で抱え込まずに今すぐ家族か警察に話しましょう。
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