離れて暮らす親が詐欺に遭っていないか、不安になったことはありませんか。見守りで一番効果があるのは、特別な機器ではなく「電話や連絡の回数を増やすこと」です。今日からできる具体的な方法をまとめました。
- 離れて暮らす親の見守りで、まず効果が高い方法
- 詐欺被害に気づくための「環境」と「様子」のチェックポイント
- 見守りカメラ・サービスを使う時に気をつけたいこと
いま何が起きているか
結論:特殊詐欺の被害者の半数以上が65歳以上で、一人暮らしの高齢者が増え続けています。
警察庁がまとめた令和7年の確定値によると、特殊詐欺全体の被害認知件数のうち65歳以上の高齢者が占める割合は51.3%(法人被害を除く、警察庁調べ、令和8年5月22日公表)。還付金詐欺では65歳以上が66.6%、預貯金詐欺では98.9%、キャッシュカード詐欺盗では98.2%にのぼります(警察庁調べ)。
一方で、内閣府の「高齢社会白書」によると、65歳以上がいる世帯のうち一人暮らし(単独世帯)の割合は増え続けており、令和5年時点で約3割を占めています。65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合も、昭和55年には男性4.3%・女性11.2%だったのに対し、令和2年には男性15.0%・女性22.1%まで増えました(内閣府「令和7年版高齢社会白書」)。一人で過ごす時間が長いほど、不審な電話や訪問に一人で対応してしまう場面が増えます。離れて暮らす家族が気づく前に被害が進んでしまうケースが後を絶たず、日頃からの見守りが欠かせません。
見守りの具体的な方法
結論:一番効果が高く、お金もかからない方法は「連絡の回数を増やすこと」です。

①連絡の頻度を増やす:離れて暮らす親への対策として、実際に最も多く行われているのが「連絡の頻度を増やす」ことです(34.6%、ALSOK調べ)。週1回を週2〜3回にするだけで、不審な電話や訪問があった時に早く気づけます。
②環境のサインを確認する:帰省時や訪問時に、郵便物や部屋の様子を見てください。国民生活センターは「不審な契約書や請求書、宅配業者からの不在通知などはないか」「新品の布団など、同じような商品が大量にないか」を見守りのポイントとして挙げています(国民生活センター)。
③本人の様子を確認する:会話の中で「お金に困っている様子はないか」「判断能力に不安はないか」も気づきのポイントです(国民生活センター)。不自然に元気がない、逆に妙に口が重くなるといった変化も見逃さないでください。
④見守りカメラ・サービスを活用する:電話や訪問だけでは不安な場合、見守りカメラ(10.3%が導入、ALSOK調べ)や、ガードマンが駆けつける民間の見守りサービス、自治体の緊急通報サービスも選択肢になります。玄関や居間など生活の様子がわかる場所に置くと、訪問者や荷物の動きにも気づきやすくなります。だまされる方が悪いのではなく、だます側がプロです。見守りは「疑う」ためではなく「守る」ための手段だと考えてください。
今日からできる対策
- 今夜のうちに(5分):親に電話し、「最近、知らない番号からの電話はなかった?」と聞いてください
- 次の帰省で(10分):郵便物や部屋の様子を一緒に確認する。不審な契約書・宅配便の不在通知・同じ商品が大量にないかを見てください
- 今日中に(5分):留守番電話の設定を一緒に確認し、「知らない番号にはすぐ出ない」ルールを決めてください
- 時間のある週末に:見守りカメラや見守りサービスの導入を検討し、本人の同意を得たうえで一緒に設定してください
- 家族だけの約束として:なりすまし電話にすぐ気づける「合言葉」を決めておいてください
家族ができること
- 今日の電話1本で:「元気にしてる?」のひとことから始めて、連絡を日常のものにしてください
- 帰省時にまとめて:迷惑電話ブロックの設定状況を確認し、未設定なら一緒に設定してください
- 伝えておく:「お金の話は、電話を切ってから必ず家族に相談する」という約束を繰り返し伝えてください
よくある質問
Q. 見守りカメラを設置するのは大げさでしょうか?
A. 大げさではありません。ただし本人の同意を得てから設置し、「監視」ではなく「安心のため」であることを伝えてください。
Q. 毎日電話するのは難しいです。頻度はどのくらいが目安ですか?
A. 必ずしも毎日でなくても構いません。実際の対策としては週1回程度の連絡から始め、回数を増やすことが有効とされています。無理のない範囲で続けられる頻度を決めてください。
Q. 親に「詐欺が心配」と言うと嫌がられます。どう伝えればいいですか?
A. 「あなたが心配」ではなく「最近こういう詐欺が増えているから、一緒に気をつけたい」という伝え方にすると、本人の自尊心を傷つけずに協力を得やすくなります。
Q. 親が「大丈夫、だまされない」と見守りを拒否します。どうすればいいですか?
A. 無理に押し付けず、「もし何かあった時のための保険」と説明してください。実際の被害者の多くも「自分は大丈夫」と思っていたことが、警察庁や国民生活センターの相談事例から分かっています。一度にすべてを導入せず、電話の頻度を増やすことから始めるだけでも効果があります。
もし被害に遭ったら
結論:お金や個人情報の話をしてしまった場合は、すぐに相談窓口に連絡してください。
| 窓口 | 連絡先 | こんな時に |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 188 | 詐欺かどうか相談したい、お金のトラブル全般 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 犯罪が疑われる、個人情報を話してしまった |
| 警察(緊急) | 110 | いままさに被害が進んでいる、犯人がまだ家にいる |
振り込んでしまった直後の対応は「振り込んでしまった」直後にすべきこと|口座凍結の手順でも詳しく解説しています。

見守りは、特別なことをしなくても始められます。今日の電話一本が、離れて暮らす親を詐欺から守る一番の近道です。無理のない範囲で、続けてください。
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出典:
警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(令和8年5月22日公表)
国民生活センター「『見守り』と『気づき』で高齢者の被害を防ごう」
内閣府「令和7年版高齢社会白書 3 家族と世帯」
ALSOK「離れて暮らす親の犯罪被害防止対策」(アンケート調査)