知らない国際電話に出ると中国語の自動音声が流れ、「中国大使館」を名乗る詐欺の可能性があります。出てしまっても、個人情報を話していなければ切るだけで大丈夫です。
- 中国語の自動音声電話が「中国大使館」をかたる詐欺である理由
- 電話に出てしまった・番号を押してしまった後にすぐやるべきこと
- 個人情報や金銭を伝えてしまった場合の相談窓口
いま何が起きているか
警視庁は2023年以降、「中国大使館」や「中国公安局」をかたる自動音声電話について繰り返し注意を呼びかけています。被害は2,000万円を超える例も確認されています(警視庁発表)。
主なターゲットは日本に住む中国人ですが、電話番号は無作為にかけられていることも多く、中国語が分からない日本人のスマホにも突然かかってくることがあります。埼玉県警は、中国国内で先に流行していた手口が日本国内に持ち込まれた可能性があるとみています(東京新聞デジタル報道)。
犯行の手口

この詐欺は「自動音声での接触→番号操作で有人窓口に誘導→脅し文句で金銭要求」という3段階で進みます。
①【接触】非通知や見慣れない国際番号から着信がある
電話に出ると、日本語または中国語の自動音声で「中国大使館からの大切なお知らせです」「在留資格に関する重要な通知があります」などと流れます。
②【誘導】番号操作で「大使館職員」を名乗る人物につながる
「詳細については9番を押してください」という指示でボタンを押すと、有人の窓口に転送されます。氏名や生年月日などの個人情報を聞き出したうえで、「あなた名義の口座や携帯電話が犯罪に使われている」「中国宛ての荷物から違法なものが見つかった」などと不安をあおります。
③【要求】ビデオ通話で偽の逮捕状を見せ、金銭を要求する
「逮捕されたくなければ金を払え」と脅し、指定した通話アプリでビデオ通話をつなぎ、偽の逮捕状のような文書を見せて金銭を要求します。支払う資力がないと分かると、「お前が誘拐されたことにして、親に身代金を払わせろ」と家族を巻き込む手口に発展した例も確認されています(警視庁発表)。
実際のセリフ・文言
警視庁が公表している、実際にこの詐欺で使われたセリフです。
✅ 「あなた名義の口座や携帯電話が犯罪に使われている」
ここが見抜くポイント:大使館が個人の口座やスマホの不正利用を一方的に電話で通告することはありません。
✅ 「詳細については9番を押してください」
ここが見抜くポイント:本物の自動音声案内から、いきなり個人の容疑を告げる有人窓口につながることはありません。番号操作そのものはお金がかかりませんが、その先に進まないでください。
✅ 「逮捕されたくなければ金を払え」
ここが見抜くポイント:大使館や公安機関が、電話やビデオ通話で直接現金の支払いを求める権限はありません。
今日からできる対策
自動音声に出てしまった後でも、次の行動を守れば被害を防げます。
- ✅ 知らない国際番号・非通知の着信には出ない(今日から):スマホの設定で着信拒否・迷惑電話ブロックをオンにしてください。
- ✅ 出てしまっても自動音声の途中で切ってよい(1分で対応完了):最後まで聞く義務はありません。
- ✅ 案内されても番号を押さない・個人情報を話さない:「9番を押す」だけでも危険な有人窓口につながります。
- ✅ 本当に大使館に用件があるか不安なら、電話を切った後に大使館公式サイトの番号へ自分からかけ直す:案内された番号や折り返しボタンは絶対に使わないでください。
- ✅ 今夜のうちに固定電話も国際着信を止める:「国際電話不取扱受付センター」(0120-210-364、通話料無料)で手続きできます。
家族ができること
離れて暮らす家族が、今日電話一本・設定一つでできることです。
- 📞 「中国語の自動音声電話は詐欺の可能性が高い、出ても切ってよい」と伝えておく:知らずに出て不安になる前に、一言伝えておくだけで安心できます。
- 📱 親のスマホで国際電話番号の着信拒否設定を一緒に確認する(10分程度):設定が分からない場合は、帰省時や電話口で一緒に操作してあげてください。
- 👀 不審な電話を受けた後、様子やお金の動きに変化がないか気にかける:急にお金の話をするようになったら、一度連絡を取ってみてください。
よくある質問
Q. 中国語が分からないのに、こうした電話がかかってくるのはなぜですか?
A. 自分や家族が中国語を話すかどうかに関係なく、電話番号を無作為に呼び出している可能性があります。内容が理解できなくても、知らない番号からの自動音声は無視して問題ありません。
Q. うっかり「9番」を押してしまいました。これだけで被害に遭いますか?
A. ボタンを押しただけでは料金も被害も発生しません。危険なのはその後、氏名や口座情報などを話してしまったり、お金を払ってしまったりすることです。すでに話してしまった場合は、下記の窓口に相談してください。
Q. 本物の中国大使館から、日本の個人宅に電話がかかってくることはありますか?
A. 通常、大使館が一般の個人に自動音声や電話で出頭や金銭の支払いを求めることはありません。心当たりのある用件なら、電話を切った後に大使館公式サイトで確認した番号に自分からかけ直してください。
もし被害に遭ったら
個人情報や金銭を伝えてしまった場合も、一人で抱え込まずすぐに相談してください。だまされる方が悪いのではなく、だます側がプロです。
| 窓口 | 電話番号 | こんな時に |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン「188」(いやや) | 188 | お金を払ってしまった・請求が心配なとき |
| 警察相談専用電話「#9110」 | #9110 | 詐欺かもしれないと感じた・個人情報を話してしまった |
| 契約している携帯電話会社 | 各社窓口 | 高額な通話料金が心配なとき |

聞いたこともない言葉の自動音声が流れたら、誰でも驚いてしまいます。でも大丈夫、意味が分からなくても切ってよいのです。番号を押さない、それだけ覚えておいてください。